私(代表・原本)は、SEO対策を複数の企業に提供してきましたし、会社員時代にも自社や取引先のSEOに携わってきました。いわば「SEOを勧める側」の人間です。その私が、お客様に最初にお伝えするようにしていることがあります。それは、SEOには「方針転換がしにくい」という構造的な弱点があるということです。SEOはサイト全体で「このキーワードを狙う」と明確に打ち出して、時間をかけて積み上げていく手法です。だからこそ強いのですが、裏を返せば、事業の方向が変わって狙いを変えたくなったとき、身動きが取りにくい。本記事では、SEOを提供する立場だからこそ知っている弱点を正直にお話しし、「頑張って上位化したのに、実はそこに市場がなかった」という一番辛い事態を避けるための順番——速攻型の集客でテストマーケティングをしてから、積み上げ型のSEOへ移行するという考え方を解説します。
SEOの弱点は、売る側からはあまり語られない
SEO会社の営業資料には、たいてい良いことが書いてあります。「広告と違って止めても効果が残る」「資産になる」「顕在層が来る」——どれも事実で、私たち自身もその価値を信じてサービスを提供しています。ただ、どんな集客手法にも弱点はあります。SEOも例外ではありません。そして売る側の立場では、弱点はどうしても語られにくい。
私はSEOを複数の企業に提供し、社員時代にも実務として対応してきた経験から、SEOの弱点を身をもって知っています。それは料金の高さでも、効果が出るまでの時間でもありません(それらはよく語られます)。あまり語られないけれど構造的に避けられない弱点——それが「方針転換のしにくさ」です。これからSEOに投資しようとしている経営者の方にこそ、先に知っておいてほしいことなので、順を追って説明します。
なぜSEOは方針転換がしにくいのか
SEO対策の基本は、ウェブサイト全体で「このキーワードを狙う」と明確に打ち出すことです。トップページのタイトル、サービスページの構成、コラム記事のテーマ選び——サイトのあらゆる要素を、狙ったキーワードとその周辺に寄せて設計し、記事を一本ずつ積み上げていきます。Googleに「このサイトは、このテーマの専門家だ」と認識してもらうためには、この一貫性が欠かせません。
この「一点に寄せて積み上げる」構造こそがSEOの強さの源泉なのですが、同時に弱点にもなります。事業転換などで狙うキーワードを変える必要が出たとき、積み上げてきたものがそのまま持ち運べないのです。広告なら、出稿を止めて新しい訴求で出し直せば明日から方向転換できます。しかしSEOは、サイト構成・記事群・ドメインの評価がすべて「前の狙い」に最適化されているため、狙いを変えるなら相当部分を作り直し、また時間をかけて積み上げ直すことになります。
SEOは「サイト全体でキーワードを明確に打ち出し、時間をかけて積み上げる」手法。この一貫性が強さの源泉である一方、事業転換で狙いを変えたくなったときに身動きが取りにくいという、構造的な弱点にもなります。
一番辛いのは「頑張ったのに、そこに市場がなかった」とき
方針転換のしにくさが最も痛みを伴うのは、どんなときでしょうか。私がインタビューでもそのままお話ししたのですが、「SEO対策をものすごく頑張ってやったのに、実はそこにマーケットがなかった」と分かったときです。これは本当に辛い事態です。
数ヶ月から一年以上かけて記事を積み上げ、狙ったキーワードで上位に表示されるようになった。ところが、問い合わせが来ない。調べてみると、そのキーワードで検索している人がそもそもほとんどいなかった、あるいは検索している人はいても自社のサービスを買う層ではなかった——。広告なら数万円のテスト出稿で「反応がない」と気づけますが、SEOは投資が積み上がってから市場の不在に気づくことになりやすいのです。積み上げ型であるがゆえに、撤退や方向転換のときに失うものが大きい。SEOはすべての集客において最善の策とは限らず、あくまでマーケティング全体の中の一手段です。だからこそ、SEOに本格投資する前に「そこに市場があるか」を確かめる工程が必要になります。
集客手段は「速攻型」と「積み上げ型」に分けられる
では、どう確かめればいいのか。その前に、集客手段の全体像を整理しておきます。私はマーケティング全体を考えるとき、集客手段を大きく2つに分類しています。
- 速攻型(即効性のある集客):交流会、展示会、DM、FAX DM、リスティング広告など。動いたその日から反応が返ってくるが、止めると効果も止まる。
- 積み上げ型(後から効いてくる集客):SEO・コンテンツマーケティングなど。効果が出るまで時間がかかるが、積み上がれば止めても効き続ける資産になる。
この2つは優劣の関係ではなく、役割が違います。速攻型は「すぐ反応が分かる」からこそ検証に向いていて、積み上げ型は「資産になる」からこそ、当たると分かった市場に投じるのに向いています。よくある失敗は、この役割を取り違えて、検証が済んでいない市場にいきなり積み上げ型を投じてしまうことです。まさに先ほどの「頑張ったのに市場がなかった」は、この取り違えから起こります。
交流会・展示会は、最高のテストマーケティングの場
速攻型の中でも、私が「テストマーケティングの場として素晴らしい」と考えているのが、交流会と展示会です。理由はシンプルで、リアルに顧客と話せるからです。
自社のサービスを説明したときに、相手の表情が動くか。「それ、いくらですか」と前のめりに聞かれるか、それとも愛想笑いで流されるか。どんな業種・規模の人が興味を示し、どんな言葉に反応するか——。こうした生の反応は、検索ボリュームの数字をいくら眺めても得られません。当サイトでは交流会だけに頼る集客の限界についてもお伝えしていますが、それは「交流会が無駄」という意味ではありません。交流会・展示会を"売る場"ではなく"確かめる場"として使うなら、これほど速く・安く市場の手応えを検証できる手段はなかなかないのです。
交流会・展示会で確かめたいのは「売れるか」より先に「誰が・どんな言葉に反応するか」。ここで得た手応えと言葉が、後にSEOで狙うキーワードとコンテンツの精度を大きく高めてくれます。
順番の答え:速攻型で確かめてから、積み上げ型へ移行する
ここまでの話をつなげると、順番はこうなります。まず速攻型の集客手段(交流会・展示会・DMなど)でテストマーケティングを行い、その結果が良好であれば、積み上げ型の集客(SEO)へ移行していく。私はこの順番を、自分の経験からもお客様への提案でも、一貫してお勧めしています。
この順番には3つの利点があります。第一に、市場の不在に早く・安く気づけます。交流会や展示会で誰にも刺さらないサービスは、SEOで上位化しても刺さりません。数十万円・数ヶ月単位の検証で済むうちに軌道修正できます。第二に、SEOで狙うべきキーワードの精度が上がります。リアルの場で見込み客が実際に使っていた言葉、前のめりになった瞬間の質問——それこそが「検索されている言葉」の有力な候補になります。第三に、テストで手応えを得た市場に投じるSEOは、方針転換のリスクそのものが小さくなります。狙いが正しければ、方針を転換する必要が生じにくいからです。
逆に言えば、まだ「誰に・何が刺さるか」が固まっていない起業直後の段階では、いきなりSEOに全投資するのはお勧めしません。この段階の考え方は起業直後に「設計せず動く」のが高リスクな理由でも詳しく書いています。事業の当たりが見えてから積み上げを始めても、決して遅くはありません。むしろそれが、積み上げた資産を無駄にしない一番の近道です。
まとめ:弱点を知ったうえで、SEOを「当たる市場」に積む
SEOの弱点は、方針転換のしにくさです。サイト全体でキーワードを明確に打ち出して積み上げる構造ゆえに、事業転換で狙いが変わると積み上げた投資が持ち運べず、「頑張ったのに市場がなかった」となったときのダメージが大きい——。SEOを提供している私だからこそ、この弱点は先にお伝えしておきたいと思っています。
だからこそ、順番が大切です。交流会・展示会などの速攻型でリアルに顧客と話し、テストマーケティングで手応えを確かめてから、積み上げ型のSEOに移行する。SEOはマーケティング全体の中の一手段であり、当たる市場に積んでこそ、止めても効き続ける集客資産になります。全体戦略から手段を選ぶ考え方は施策を選ぶ前に全体戦略で見るでも整理していますので、あわせてご覧ください。
私たちは、社長の実体験や現場ノウハウを検索から見込み客が集まり続ける記事に変え、テストマーケで確かめた「当たる市場」に集客資産を積み上げるお手伝いをしています。「SEOに投資すべきタイミングか判断がつかない」「事業の方向はほぼ固まったので、そろそろ積み上げを始めたい」という方は、まずは無料相談でお気軽にお問い合わせください。
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