「うちも、そろそろ大手企業と取引したい」——中小企業の経営者の方から、そう伺うことがあります。ではその相手に、今の集客でたどり着けるでしょうか。交流会に通う。展示会に出る。セミナーに登壇する。どれも真っ当な集客活動です。ただ、私(代表・原本)が交流会に通い続けるなかで実体験として気づいたのは、そもそも会いたい相手がその場にいないという、身も蓋もない事実でした。本記事では、対面での集客がなぜ大手企業に届きにくいのかという構造と、その答えとして私がデジタルマーケティング(インターネット上の集客)にたどり着いた理由を整理します。
交流会に通い続けて分かった「集まる名刺のジャンル」
私はホームページ制作で独立しました。起業してしばらくの間、やったことはシンプルです。いろいろな交流会に、ひたすら通い続けました。名刺を配り、名刺をもらい、また次の会に行く。当時の自分にできる集客が、それしか思いつかなかったからです。
その結果として手元に残ったのは、ほとんどつながりのできない名刺の束でした。しかも、集まった名刺のジャンルはバラバラです。従業員として働いている人、保険屋さん、不動産屋さん、そして経営者・社長。私が受注したいのはホームページの制作ですから、本来アプローチすべきなのは決済権を持っている人です。ところが名刺の山を眺めても、その条件に当てはまる人がどれだけいるのか、判然としませんでした。当時の心境は、インタビューでもそのまま話しています——「これだけ交流会に出ても全然ダメだった、名刺はたくさんたまった、じゃあどうしようか」。
交流会は「人に会えない場所」ではありません。むしろ人にはたくさん会えます。問題は、会える人の顔ぶれを、自分では選べないことです。会場に来ている人の中からしか、出会いは生まれません。
この「集客が積み上がらない」感覚そのものについては独立して半年 交流会に通い続けて気づいた理由に詳しく書きました。本記事で掘り下げたいのは、その先にある別の問題です。そもそも、会いたかった相手はあの会場にいたのか?という問題です。
集客の一番の肝は「お客さんはどこにいるのか」
名刺の山を前にして、私は一度、自分で交流会を主催してみることにしました。たまった名刺をすべてリストアップし、全部文字起こしして、その中から「企業家向け」に絞って会を企画し、メールで案内を送ったのです。結果は想像以上でした。最初から50人とか70人くらい(記憶ベースの概数です)が集まってくれました。
この経験から見えたことがあります。「交流会に来たがっている人は、現に交流会に来ている」。当たり前のようですが、これは重要です。私は「交流会をやります」という案内を、交流会で集めた名刺に対して送りました。つまり、その案内を受け取りたい人がいる場所に、案内を届けたわけです。だからこそ集まったのだと私は考えています。この主催の顛末は名刺が溜まるだけの交流会をやめて「自分で主催」した話にまとめています。
ここから引き出せる原則を、私はこう言葉にしています——「その自分の事業のお客さんになり得る人たちが集まっている場所に、どうアプローチするのか。それが、やっぱり集客において一番肝になるんじゃないかな」。手法の巧拙より前に、場所の選定がある。どんな事業であっても、「お客さんはどこにいるのか」を考えることが出発点になります。
集客がうまくいかないとき、多くの人は「やり方」を疑います。しかし疑うべきはその前段——「その場所に、お客さんは本当にいるのか」です。いない場所でどれだけ上手にやっても、成果はゼロのままです。
そして、この原則をそのまま裏返すと、冒頭の問いに戻ります。あなたが会いたい相手は、あなたが今いる場所にいますか?
大手企業にアプローチできない、2つの構造的な理由
もし狙いたい相手が大手企業なのだとしたら、対面の集客には構造的な壁があります。私が考える理由は、大きく2つです。
理由1:そもそも人数が限られていて、その場にいない
大手企業は、数が多くありません。日本の企業の圧倒的多数は中小企業ですから、母数として大手は限られます。そして、その限られた大手企業の担当者は、交流会の場にはいないのが実情です。中小企業の経営者や個人事業主が新規開拓のために足を運ぶ場と、大手企業の担当者が仕事相手を探す場は、そもそも別物だからです。会場のドアを何回くぐっても、いない人には会えません。
理由2:セミナー登壇でも「行列の中の一人」になる
「では、セミナーで登壇すればいいのでは」と考える方もいます。実際、登壇は有効な打ち手のひとつです。ただし、そこにも限界があります。登壇者として壇上に立ち、終演後に名刺交換の行列ができたとしても、あなたが向き合えるのは何十人という行列の中の一人ずつです。短い挨拶を交わして、名刺を受け取って、次の人へ。ここから関係を構築していくのは、決して簡単ではありません。
この2つを合わせると、結論はこうなります。足で稼ぐ集客は、会場に来る人にしか届かない。そして大手企業の担当者は、その会場に来ていない。これは努力や熱意の問題ではなく、集客チャネルの構造の問題です。交流会に通い続けても集客が積み上がらないのと同じ理屈が、相手を大手に変えるとさらに強く効いてきます。
「ほぼ全員がいる場所」としてのインターネット
ここまでの話を、そのまま原則に当てはめてみます。「お客さんになり得る人が集まっている場所にアプローチする」——では、大手企業の担当者がほぼ確実にいる場所は、どこでしょうか。私が出した答えが、インターネットでした。
理由はシンプルです。今はほぼ全てのビジネスパーソンが、何らかの形でネットを利用しているのではないか——私はそう考えています。Google検索を使う人もいれば、マップ検索から探す人も、SNSで情報を集める人もいます。使い方は人それぞれで一様ではありません。ただ、会社の規模も業種も役職も問わず、仕事上の課題にぶつかったときに何らかの形でインターネットに触れている、という点は共通しています。この認識が、私たちがSEOのサービスを立ち上げた背景のひとつになっています。
デジタルマーケティングの本質は「新しいから」でも「流行っているから」でもありません。会いたい相手が、そこにいるからです。場所の選定という一点で見たとき、ネットは対面の集客がどうしても届かない範囲までカバーします。
加えて、検索から来る人には質的な特徴があります。自分の課題を言葉にして、自分から探しに来ている——つまりすでに解決したい問題を自覚している人です。会場でたまたま隣に座った人とは、この点が決定的に違います。詳しくは検索から来るお客様は"今すぐ客"で書いていますが、届く範囲が広いだけでなく、届く相手の質も変わるということです。
ただし、正しい筋道も忘れずに
ひとつ、正直にお伝えしておきたいことがあります。私の交流会主催がうまくいったのは、結果としてであって、教科書どおりのやり方をしたからではありません。本来の正しい筋道は、まず商品設計をし、顧客ペルソナ(理想像)を設定し、その理想像に近い人にヒアリングしながら事業を組み立てることです。私の場合は、名刺の山を前にして動いた結果、「お客さんが集まっている場所へアプローチする」ことの重要性が後から見えた、というのが実際のところです。
ですから、この記事を「ネットに切り替えれば解決する」と読まないでください。誰に売るのかが決まっていなければ、場所をネットに移しても同じことが起こります。設計を先にするという話は起業直後に「設計せず動く」のが高リスクな理由にまとめています。
もうひとつ、実務上の注意点も添えておきます。交流会での集客を目的に他社の交流会へ参加することは、マナー的に問題がある場合があり、明示的に禁止しているコミュニティもあります。実行するなら利用規約を確認し、必要なら主催者に問い合わせて、迷惑をかけない形で行ってください。
まとめ:手法を変える前に、場所を確かめる
交流会に通っても大手企業に会えないのは、あなたの営業力の問題ではありません。会いたい相手が、その会場にいない——ただそれだけです。大手は数が限られ、交流会の場にはおらず、セミナー登壇でも行列の中の一人になってしまう。足で稼ぐ集客には、届く範囲に構造的な上限があります。
だから私は、集客で一番大事なのは「お客さんはどこにいるのか」を考えることだと繰り返しお伝えしています。名刺の山から企業家向けに絞って交流会を主催したら人が集まったのも、原則としてはまったく同じ話です。来たがっている人がいる場所に、届けた。それだけのことでした。
そして、ほぼ全てのビジネスパーソンがいる場所を探したとき、行き着くのがインターネットです。会場に来ない人にも、検索でなら届く。これが、私たちがSEOという手法を選んでいる理由です。ただし順番は守ってください。誰に売るのかを決めてから、その人がいる場所を選び、届け方を設計する。この順番でなければ、場所を変えても結果は変わりません。
「大手と取引したいが、接点の作り方が分からない」「交流会と展示会以外の集客が思いつかない」という方は、まず現状の整理から一緒に始めませんか。無料相談では、今の事業とお客様像をお聞きしたうえで、その方がいる場所と、そこへの届け方までご提案します。
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